気づき・学び・神経の繋がり

数学、物理、宇宙、テレビ番組、社会、政治、経済、歴史、人物、教育、人工知能、四季、言語、宗教、差別、スポーツ、音楽、アニメなどについて

食糧廃棄物が減らない理由   2017/03/14

 まず、例え話から。ある飲料水のキャンペーンでは、応募用紙にバーコードを貼る作業に30分かかり、これによって450円分のその飲料水を受け取ることができるとする。すると、このキャンペーンに応募する作業には、時給900円の価値しかないので、多くの社会人にとっては、働いて買った方が得になる。タダでもらえる機会を活かさないことは無駄なようだが、それにかかる時間を考えに入れると、相対的に他の行動をした方が得になる。


 同様に、10分1080円で散髪をしてもらうより、バリカンと鋏で自分で散髪すれば、1080円浮く。しかし、それに60分かかる場合、多くの社会人にとって、数千円稼ぐことができる時間を失っていることを意味する。つまり、1080円節約するために数千円分の時間を失っているのだ。よって、自分で散髪して1080円節約する代わりに、10分1080円で散髪してもらって、差の50分間を有益な行動に振り分けた方が良いということになる。


 これらのように、人の置かれた状況によって、相対的に「無駄になる節約」というものがある。食糧廃棄物が減らない理由もここにある。まだ食べられるが見栄えや大きさなどに難のある食べ物をほしい人のもとに届けることや、並べたが売れ残った商品を極端に値下げしてでも売り切ること、消費者が買った食べ物を食べきるために購入量を調節したり電力を消費して長期間保存したりすること、ホテルや飲食店が顧客の満足度を下げないために必要以上に料理を用意することなどは、これらを止めるために費やす人件費、労力、時間、石油、電気等が、食糧の無駄を上回るため止められないのだ。


 この相対的な無駄を小学校高学年に理解させることは難しい。また、道徳的に「食べ物は無駄にしても良い」とは言いづらく、そう言ってしまうと誤解されやすい。そこで、多面的なデータと、それらを比較し合える数値によって、総合的に理解させることが必要である。このことは、実験や調査、解剖等で、生物を殺すのはかわいそうだと言う小学校高学年生に対して、なぜ一部の個体を科学的に利用することはして良いかということを説明することに似て、数量や成果による比較が必要である。こちらも、動物は殺してもよいと誤解させないよう、併せて道徳的な側面について教育することも欠かしてはならない。


 以上のように、物事をグラデーションのどのあたりに位置するか理解するよう努めることが、大切である。これにより、極端な宣伝をする政治家に流されないことや、性別を2種類ととらえないことなどができる。