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『木村拓哉論』  2017/01/16

 少年・青年漫画の中には、他の登場人物からは理解されず、バカにされるが、後にその行動や発言の真価が明らかになる場面が出てくる。例えば、『スラムダンク』では、圧倒的に前評判の良い対戦校と戦う前に、主人公の桜木花道が、対戦相手の応援席に向かって「ヤマオーはおれが倒す!(by天才桜木)」と言う(「ヤマオー」は対戦校の山王工業を誤読したもの)。その瞬間、この行動は、何も考えずに調子にのった人間のやったことだと受け止められたが、実は、会場の雰囲気に呑まれ、委縮しそうなチームメイトに本来の力を出させるための行動であった。『ONE PIECE』では、自分の村の人々が攻撃を受けないよう、仲間を裏切ったように見せ、敵の航海士として地図を描くことに身を捧げる登場人物が出てくる。『サラリーマン金太郎』や『俺の空』などの本宮ひろ志作品群は、周囲をあっけにとらせ、後に納得・感動・称賛させるシーンの連続である。


 2016年は、SMAPに関する多数の憶測が飛び交った。しかし、木村拓哉は、少年漫画の精神に貫かれた「モンキー・D・拓哉」であるから、周囲に理解されない行動の裏には、必ず強い信念があるはずである。そして、後に、私たちは、その真意を理解することになるはずである。根拠はないが、そう信じることは、私の生活に力を与える。彼は、晩年には、人生全体を総合的に評価されるようになり、美空ひばりや田中角栄のように、死後も特集番組が組まれる歴史上の人物になると信じる。


 木村拓哉には多くの友人がいることは、有名である。しかし、師にあたるような人物との出会いはなかったように見える。草彅剛にとってのタモリのような、先を行く人との濃いつながりに恵まれなかった。田村正和と真剣に関わったり、明石家さんまと友達付き合いをしたりしてきたが、人生の拠り所となる関係は築けなかった。だが、彼が生き方の参考にする対象がないわけではない。


 今から20年以上前、木村拓哉は、アメリカのインディアンの集落に行った。そこで、再び胎内から生まれたように感じるテント型のサウナに入り、老人から「男になれ」ということを教わった。この経験は、『ロングバケーション』への出演と並ぶ、その後の人生の支えになるものであった。そして、この経験から、全身全霊で努力することや、人を大切にすること、信じたことを貫く正義感などが養われた。だから、木村拓哉は、人に悪評を立てられようと、くじけずに前を見ながら歩み続けていくはずである。


 以上が、私が信じる木村拓哉像である。